2014年4月14日月曜日

GRAD CONCEPT

本日は、伊藤悠吾が設計したTHE GRADフレームに関する誕生秘話です。
まずは最大の特徴のブレーキ台座。
このフレームだけ、溶接台座か、台座無しのモデルをリリースしました。この点については、彼は絶対条件だった様子です。何故なのかを聞いてみました。
『今現在、リムーバブル台座が当たり前。誰でもブレーキの着脱が容易で、尚且つ見た目がスマート。が、リムーバブルの売り。必要なくないですか?(笑)僕自身、物をいじるのが大好きで、昔は何処に台座が付いてたか分からないまでカットしたりやすったり手を加えていました。周りの皆やってました。台座が要らないなら切る。相性が悪くて付かないパーツをどーにか手を加えて付ける。これが当たり前だった。』という考えから、リムーバブル台座は不採用になりました。『いじる楽しみを残したかったので台座も付いてるし、フレームカラーはあえての無塗装。RAWカラーって溶接の色味があってかっこいいけど、狙いはそこじゃなく、組む前から塗装が必要だったり、錆止めとか手を加えてあげるって事でフレームに愛着が湧くじゃないですか。もう一色のグリーンは、せっかく川崎製鉄なのでカワサキグリーンをイメージ。』と、ブレーキング性能や見た目もそうですが、あくまでフレームに手を加える楽しさを知ってもらいたい、便利さばかりを求めてしまうのはもったいない。と、自転車、バイク、車、釣り等、何でもとりあえずいじってみるのが好きな本人の思惑だった様です。
エンドに関しても拘りがあった様です。極力、シートステー、チェーンステーの延長線上にエンドも持っていきたかった。かつペグがはみ出ない程度で小さくも大きくもなり過ぎない大きさ。シンプルなフレームを好む彼なので、テンショナーや、肉抜きも無し。彼のギアレシオは30T x 9Tの重めのセッティング。このギアセッティングだとガン詰めで13.6"になるように設計されています。
こちらも唯一の、シートクランプが必要となるスタイル。本人曰く、クランプが有ることで、シートの下が締まるとの事。
全体的に太いパイプを用いて、トップ、リアトライアングル共に大きめの見た目になっています。BBも唯一のスパニッシュBB。最近多い24mmクランク等を無視した、完全に彼の好み、拘りが反映されたフレームでしょう。(笑)
シンプルかつ、強い。かっこいい。必要以上に便利さを追求しない。シンプルな構想で出来上がったフレームが故に、思いやりも拘りも強いフレームなのではないでしょうか。
Alive Industry的にも、このような最近ぽく無いフレームがあっても良いよね、という会話からこのフレームが生まれました。そして、GRADがシグネチャーフレームでは無い理由を明かしてくれました。
『正直、自分のライディング程度でシグネチャーを出せるレベルでは無いのは人に言われなくても分かってる(笑)。僕が歳を取って自転車乗れなくなったとしても、このフレームをチームモデルにすることによって、ずっとこの先も残って欲しいなって気持ちから。いつか一線を退いたとしても、若手がその名前のフレームを乗ってたら嬉しいじゃないですか。一線を退いたらシグネチャーも無くなっちゃう可能性あるし。だからチームモデルとして、何年後もこのGRADがAliveの中に生き残ってくれたら嬉しいなと。今後はこのフレームで他サイズ展開も出来たらいいなと思ってる。実際、10年前位にこんなフレームあったら良いなって描いたフレーム図があったんですけど、それと今回作ったフレーム、あんまりスペックに違いがなかったです(笑)インテグラルヘッドとスパニッシュBB位でしたね。今回このフレームが作れて本当に嬉しい。』
と、話してくれました。
彼なりに先の事を見据えていたり、色々な感情から、シグネチャーフレームにしなかった様です。

今回はジオメトリーに関してではなく、GRADフレーム製作においてのコンセプトをご紹介しました。次回はMAJAモデル、ACORRCROWフレームについて書きたいと思います。乞うご期待!









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